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難治性血液疾患に対する移植とチーム医療:
きめ細かなモニタリング医療
■個々の高い専門性に裏づけられたチーム医療の実践を

岡田  今後、さらにチーム医療を進めていくうえでの課題について、加治師長、いかがでしょうか。

加地  モニタリング医療ということでお話しがありましたが、モニタリングの結果に基づいて頻繁に免疫抑制剤の処方が変更になるので、移植にかかわるスタッフ間の情報共有の必要性を強く感じています。情報共有が十分でなければインシデントの発生につながるだけでなく、患者さんの不安をあおり、不信感を生むことになるでしょう。そして結果的に、モニタリングに基づく治療の安全性・確実性は確保できないということになってしまいます。そういうことがないように、チーム間での情報交換と共有、そして記録に残すことの必要性を改めて強調したいと思います。

小川  ここまでの話のなかで、患者さんへの説明や精神的なフォロー、移植にかかわる医療スタッフどうしのコミュニケーションの重要性などが指摘されましたが、これを解決するには、結局は医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師がそれぞれの領域でのプロフェッショナルとして、高いレベルで協力し合うことが求められると考えています。アメリカのMDアンダーソンがんセンターでは年間400例の造血幹細胞移植を行っていますが、担当医師は5名しかいません。医師は医師にしかできないことに専念できるチーム医療の考え方が浸透し、環境が整っているからこそ、こうしたことが可能になるのです。われわれも各自の意識を高め、そうした状況に近づけていくことが重要でしょう。

甲斐  各自プロフェッショナルとして努力を重ねる一方で、たとえばデータマネジャー、移植コーディネーター、臨床心理士などの参加も得て、多機能なチームを作っていくことも大切でしょう。そうしたチームが有機的に動き出したらよいと思っています。

岡田  質の高いチーム医療を実践していくには、メンバーひとりひとりがプロとして腕を磨くことが不可欠であり、今後より多彩なメンバーの参加を得ていければと思います。また患者さん自身がチームの一員として自覚をもっていただき、治療に取り組んでいけるようなアプローチも大切でしょう。その基盤を強化していきたいですね。

◆取材にご協力いただいたみなさん
◆取材にご協力いただいたみなさん
前列左から 甲斐俊朗輸血部臨床教授、小川啓恭血液内科教授、岡田昌也血液内科講師、池亀和博血液内科講師
後列左から 三田由香看護師、藤岡綾臨床検査技師、池本純子臨床検査技師、藤盛好啓先端医学研究所細胞移植部門助教授、加地靖子看護師長、玉置広哉血液内科講師



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